日記

 ついこの前気づいたんですが、バイト先のビルの真向かいの工事現場が元防衛庁跡でした。そして六月に亡くなった祖父は防衛庁に勤めており、何十年もそこに通っていたそうです。なので今日は祖父の事について少し書きたいと思います。
 
 
 私達の家と祖父達の家は比較的近かったので、昔はよく面倒を見てもらっていました。色々なところに連れていってもらったり、お風呂に入れてもらったり、寝る前に本を読んでもらったりしていたことを良く覚えています。祖父は家にいるときは着物で、外出するときはいつでも背広に帽子。その背広姿でゆったりと歩く様子はまさに「昭和の紳士」という感じで私は大好きでした。(もっとも祖母が言うには、他の服を着るのが面倒くさいだけだったらしいですが・・・)私もいつかあんな風に着こなせるようになりたいと思っています。

 
しかし、元気だった祖父も去年あたりから段々身体を悪くしてきていました。どこかがはっきり悪い訳では無かったのですが、次第に食欲も無くなってきていたようです。そしてついには殆ど自力では歩けなくなってしまい、私は祖父がお風呂に入るのを手伝いに家まで行ったりするようになっていました。
 昔は自分がお風呂に入れてもらっていたのに、今は私がお風呂に入るのを手伝ってあげている。この現実には様々な思いが湧きましたが、その仕事自体は結構楽しいものでした。気持ちよさそうな祖父を見るのは単純に嬉しかったのかな、と思います。この仕事は祖父が入院するまで続きました。

 祖父が入院してからは、大学の帰りに週三日程お見舞いにいくのが日課となり、そこで付き添っていた祖母から、祖父について色々な話を聞きました。どうやら祖父は昔はかなりのヘビースモーカーだったらしく、肺を悪くしてタバコを止めるまではseven starが大好きだったそうです。それを聞いて、何となく吸ってみようと思ったのが初めてのタバコでした。「なるほどなー、これがじいちゃんが好きな味なんだな。やっぱりあんま旨くはないなぁ」というのが最初の感想でしたね。でも結局は雀荘に行ってるうちに、今では日常的に吸い始めるようになってしまっています。

 ただきっかけがそうだからでしょうか、夜道を一人で歩きながらタバコを吸っていると猛烈に祖父の事を思い出す時があります。でもこんな気持ちも時が経つにつれて次第に風化していってしまうんでしょう。だから、今日は今のうちに文章にしてみることにしました。


 あぁ、一度くらいじいちゃんと一緒にタバコ吸いたかったな。